博士就職問題続き

たぶん,博士課程に行って依然としてその分野に絶望していない人間のスタンスは基本的には元より「博士後期に進む」って決めた時点で人並の人生も幸福も期待なんかしてない - かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)なのだと思う.のたれ死のうが別に後悔してないよ的な.自分もそうだけど,博士課程に行った人間個人の問題としては就職率50%だろうが,20%が路頭に迷おうが我が人生に悔い無し的なところに収まる人が多い気がする.

個人としての博士就職問題はそれでいいのだけど,社会としての博士就職問題は違う.博士課程,特に工学系の人間には相当な国費が投入されている.なぜなら,研究室の業務は基本的にドクターが(で,足りなければポスドクが)担うのが日本の研究室だから.授業料なんてやってることと比べればタダみたいなもんだし,その授業料すらも最近は免除にしようと言う動きがある.それだけの国費が投入された人間が,そこら辺でフリーターとか派遣の工員とかしてたら困るわけだ.投入した教育費用が無駄になってるわけだから.アカデミックの研究者としての夢が破れても,そして,研究者としての夢が完膚無きまでに破れようとも,投入された教育に見合う頭を使う仕事をしてもらわないと困る.のだけど,別に世の中そういう責任を問う声は国費で留学して博士号を取ってさっさと省をやめる官僚様相手以外には聴こえてこない.世間の人々の眼中にないことを喜ぶべきなのか.