というか,送電のシステムを根本的に変えれないの?

松田雅央の時事日想:ドイツは本気である。そう感じさせた再生可能エネルギーのシナリオ (1/2) - ITmedia ビジネスオンラインを読んですごい考えてしまった.
ちなみに,現状のドイツ(や,デンマーク)の風力発電ってひどくて,風力発電所の発電量がこれだけ増えましたといっている裏で火力発電所(ドイツでは石炭火力)が,風力発電所の供給不安定に備えてバックアップしている.風力発電所の連携範囲を広げれば安定性はだいぶましになるという話はあるけど,デンマークの例(デンマークでの風力発電事情から学ぶべきこと - 環境・エネルギー事情)を見るにつけヨーロッパ全体で連携してやっと?というイメージ.というか,同じ口で原子力発電所は遠くにあるから送電ロスが多いんですよひどいでしょといってるんだろうから手に負えない

基本的にコンセントにつなげば,必ず電気が流れるという驚異的な利便性を維持するためには,太陽電池にしろ風力発電にしろお天道様の様子で発電量が変わるような発電システムはバックアップとして追従性の高い火力発電所が必要という認識が広がらないといけない.日本で言えば四国電力とかそうだけど,風力発電所の導入量を増やすためには原子力発電所を止めて火力発電所の発電量を増やさないといけないという本末転倒の世界に突入する.

このどうでもいい世界から脱却するためには,コンセントにつなげば電気が流れるという原則を切り崩す必要がある(もしくは,供給側で徹底的にバッテリで不安定性をならすか).これを直流給電の導入とともに切り崩せないかなと思った.
家の中での電力消費を考えてみると

  1. 24時間動いていなければいけないもの
  2. 特定の時間にしか動かないけど,動かなければ動かなくていいもの
  3. 特定の時間にしか動かない上に動かないとまずいもの

という風に分けられると思う.自分の家で当てはめると

  1. ファイルサーバ,冷蔵庫(ただし瞬間的に停電するのはOK)
  2. 冷暖房(寒さがあんまり厳しくないので),テレビ,普通のパソコン,ゲーム機,照明,電子レンジ
  3. DVDレコーダー,DVDレコーダ代わりに使っているパソコン,炊飯器(主にタイマー予約で指定時間にうごかないと困るもの)

という感じになる.ここら辺は個々人でどれがどうなるのかは変わってくると思う.
電力をこういう風に分けてくれると,最初の項目は原子力に任せて,次の項目はお天道様に左右される再生可能エネルギー,最後の項目は仕方がないので火力発電所なり従来の発電システムでまかなうけど,電気料金をめいいっぱい上げておくという形で,CO2を無理なく削減できる.

ひとまず,2番の項目を直流給電の形でエコな電気という振込みで売りつけるというのが第一目標.電力が足りないときにどうするのかは議論の余地がある.個人的には上のようなシステムの導入とあわせて家全体の消費電力をリアルタイムでモニターして表示する仕組みを導入すべきだと思ってるので,それに少し追加するだけでどれくらい足りないかにあわせて電気料金を変動させる仕組みは違和感なく導入できると思う.つまり,今は電気料金が高いからエアコンつけるのはやめておこうとかそういう会話がなされるようになるという話.ただ,そういう市場的な調停だけで何とかなるのかは実験してみないとわからない.いまだと機械的(発電機の負荷に変動があってもローターの慣性で表に出ないらしい)にそういう短時間の変動は調整されてる面があるのだけど,出発から終点まで直流な送電(太陽電池とかだとそうなる)でそれがどう調整されるかはよくわからないところがある.